奈良県旧生駒トンネル

奈良県と大阪府を結ぶ近鉄奈良線の旧生駒トンネルです。1914年4月18日に、2年7か月の歳月をかけて掘られたトンネルは、当時としては難工事で、工事の途中1913年1月26日には、大規模な落盤事故が起き、朝鮮からの労働者を含め多くの犠牲者を出しました。

特に、このトンネル工事には、時代的に仕方ないとはいえ、危険な作業なので朝鮮人労働者を連行してきて掘らせたという噂があったそうで、真偽はともかく、多くの朝鮮人労働者の悔しさが溜まっています。
そして、戦後間もなくの1946年にはトンネル内で大規模な火災が起き、また1948年には急行のブレーキが故障し、ともに多くの死者を出しました。そのため、この大事故にまつわる伝説もあり、怖い話が詰まった場所です。1947年にも死者こそ出ませんでしたが、火災事故が起きています。


大阪から奈良への最終電車が生駒トンネルを越えるとき、トンネル内で、成仏できない亡霊がたくさん乗り込んでくるらしいです。実際最終電車を見た人の、すいているはずの電車が満員だったという証言が多く残っています。トンネル内で焼け死んだ人の、熱い熱い、助けてくれといううめき声が聞こえるという現象も有名です。近鉄としても、この数々の目撃情報を放置するわけにいかず、最終電車の後にカモフラージュの回送電車を走らせたり、架空の最終ダイヤを作ったり、対応に苦慮したそうです。しかし、苦心の末に考え出された最終の回送電車も、やはり亡霊が乗っているという目撃が後を絶たず、結局手の施しようがない状態となっています。


もともと、生駒トンネルがある生駒山は、空海や役行者が修行をしたと伝わる聖地で、トンネルを抜けた大阪側には強烈なパワースポットの枚岡神社があります。トンネルを掘ってはいけない土地だったのかもしれません。現在は同じ区間に新生駒トンネルが開通し、旧生駒トンネルは金属製の重い扉で封印されています。しかし新生駒トンネルでも、やはり、号泣が聞こえたり、幽霊を見たという話が変わらず言われています。まだ成仏できてないのでしょう。

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